セルジュルタンスのフレグランス「コレクションノワール」
「フランスの知性・哲人」とも称されるアーティスト、セルジュ・ルタンス。1968年から12年間、クリスチャンディオールのアートディレクターを務め、1980年からは資生堂のグローバルイメージとビジュアルアイデンティティを担当しました。
そんな彼が香水(パルファム)の創作を本格的に開始したのは1992年のこと。レ・サロン・デュ・パレロワイヤル・シセイドーのオープンに伴ったものでした。そしてついに2000年、パルファム・セルジュ・ルタンスのラインを創立したのです。
フランス共和国芸術文化勲章コマンドゥール(Commandeur de L’Ordre Des Arts et Des Lettres)も受章し、世界の香水ファンだけではなく芸術家からも愛される孤高の天才セルジュ・ルタンス 。彼は、人を本来の自分の姿に立ち返らせてくれるものが私の考えるフレグランスとも語っています。
その中でも彼のインスピレーションを色濃く感じることができるものが、よりモダンで、より強い存在感を放つ「コレクションノワール」のラインです。香りは五感で感じるものとのコンセプトから、色の魔術師セルジュ・ルタンスがこだわった宝石のようなフレグランスの色、そして謎深いフレグランスの名前…物語が香りによって紡がれます。
今回はこのセルジュ ルタンス(SERGE LUTENS)「コレクションノワール」の中から、鮮烈なカラーが特徴的な「ラフィーユドゥベルラン オードパルファム」をご紹介いたします。
まるで血液のような赤い香水
SERGE LUTENS セルジュ ルタンス ラフィーユドゥベルラン オードパルファム
セルジュ ルタンス(SERGE LUTENS)「ラフィーユドゥベルラン オードパルファム」の特徴
セルジュ ルタンス(SERGE LUTENS)「ラフィーユドゥベルラン オードパルファム」はローズ&スパイシーの香りをもつ香水です。
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ラフィーユドゥベルラン(La fille de Berlin)、「ベルリンの少女」という名を持つこのオーデパルファムは2013年にコレクションノワールに加わりました。ドイツ表現主義へのオマージュであるこの香りには、以下のようなストーリーが込められています。
いにしえのベルリン。
幻想の都市。
ディナージャケットを着てたたずむ少女の姿。
彼女は棘を持つ花。干渉しない方がいい。
雪の上、銀色の薔薇が放つ慰めと情熱の香り。それは壮麗な花。
血と夜と雪と恐怖と栄光からつくられた香り。
それは衝撃的なローズ。
その激しさが美なのです。金属製の薔薇が雪の上に横たわる
色と熱情を持つ香り
自己主張する香りなのに
なぜか落ち着く香り
2023年には発売10周年を記念してセルジュ・ルタンス自身の手による貴重なイラストの限定バージョンが発売されたほど、アイコニック的なフレグランスとなっています。
香りのコンポジションはローズエッセンス、ペッパー。驚嘆、スパイシー、刺々しさといった印象を与える香りです。スパイシーなペッパーに、優美なバラの香りという相反する2つのアコードが物語を紡ぎ出します。
「ラフィーユドゥベルラン オードパルファム」使用感レビュー
使い方
セルジュ ルタンス(SERGE LUTENS)「ラフィーユドゥベルラン オードパルファム」には、スプレーノズルが付属しています。使用する際にはキャップを明け、スプレーノズルを装着して使用しましょう。
フレグランスをつける場所
フレグランスを付ける位置としていい場所とされているのが「パルスポイント」です。パルスポイントとは、脈拍がとれる部分のこと。体温が高くなりやすいので効果的に香りが広がります。
パルスポイントは体に数カ所あり、耳の後ろ、手首、足首、足の甲、こめかみなどがポイントです。香りが強いフレグランスの場合、香りは下から上に立ち上るため、足首など下の方につけるとほのかに上品な香りを楽しむことができます。
フレグレンスは肌から30cm離してこのパルスポイントにスプレーしましょう。自然に香りが拡散されて上品な香りを纏うことができます。
上質なローズの香りに見え隠れするスパイシーさ
セルジュ ルタンス(SERGE LUTENS)「ラフィーユドゥベルラン オードパルファム」の使用感を動画にまとめたのでご覧ください。
こちらが外箱。「コレクションノワール」に共通のデザインです。
ボトルは直線的でラベルのデザインも含めとてもシンプル。なのに洗練されたデザインでスタイリッシュなインテリアとして飾っておきたくなります。
やはり特徴的なのはこのカラー。赤ワインのような血液のような深みのある赤色が目を引きます。ゴシック好きな筆者の心も鷲掴みです。
ボトルとは別にスプレーノズルが付属しています。
使う時にはこのように付け替えましょう。
吹き付けてみると…まあ使い心地は普通の香水なのですが、腕から垂れた下の部分に注目。しっかりと赤色が出ています。そのため衣服などには付着しないように注意して使ってください。
吹き付けられたところ、ほんのり赤みがありますね。
肝心の香りですが、一見普通にバラの香りの香水なのかなと思いきや、そのローズを取り囲むようにペッパーのスパイシーさが割り込んできます。チクっと金属感すら感じるこのスパイシーさがトゲを表しているのかなと思いました。
この先にローズが来て後からペッパーというのがまたニクい演出だなと。優雅に見えてトゲが隠れている感じがオトナの女性にピッタリなのではないかと思います。とはいえ、エグさを感じるほどスパイシーではないのがまた絶妙なバランスです。
目に飛び込んでくる赤にふんわり香るローズ、そしてチリっと香るペッパー。どこか物語を感じずにはいられません。
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セルジュ ルタンス(SERGE LUTENS)「ラフィーユドゥベルラン オードパルファム」は優雅なローズの中にペッパーが香る、定番のローズとは一線を画した芸術的な香りでした。
少しフレグランスに変化が欲しい方、ハマると思います。
セルジュ ルタンス SERGE LUTENS ラフィーユドゥベルラン オードパルファム
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公開日 2024年10月22日 最終更新日 2024年10月22日
乾燥肌と薄い唇が悩みなミドフォーライター&放送作家。プチプラコスメからデパコスまで幅広く愛用しています。現在運命のファンデーションを探し中。乾燥肌/イエベブルベ混合/猫毛/